キャリアについて考える。
はじめに
この記事はサステナブルなぴょこりんクラスタアドベントカレンダーのために書きました。
競馬、なにもわからない
おれたちは雰囲気でやっている。競馬デビューした2日目の僕の記事からもそういう感じが伝わってくるのではないでしょうか?推す前にやはりやはりよく知る必要があるのではないかと、そう思いました。
競走馬のライフサイクル
まずは競走馬の一生について学んでいきましょう。
この資料の3, 4ページ(ページ番号だと1, 2ページ)がわかりやすくてよかったです。2歳くらいで実際に競馬に参戦、競走馬としては地方競馬と中央競馬を行き来したり、いったん登録抹消してまた復帰することなどもあり、そのキャリアを終えた後は乗用であったり繁殖用になったり、まぁもちろんそれ以外もあるわけですが、そういった感じのようです。
もう少し情報を加えると、この記事によれば、馬の平均寿命は27年ほどであり、うち現役の期間は3〜5年とのこと。引退後の生活のほうが圧倒的に長いが穏やかに暮らせる馬は少ないそうです。人生・・・。
具体的なデータを見る
やったこと
なんとなく概要がわかったら実際の数字を見たくなってきますよね(?)。大体平均で言えばこのくらい、で済ませても良いのですが、やはりどれくらいばらつきがあるのか、どのような例外がいるのか、みたいなことを知るのは重要かと思います。
というわけでnetkeiba 様からスクレイピングさせてもらいました。あまり負荷をかけないように11月に数週間かけてじっくりと・・・。
こういう記載もあるしギリセーフなはず(?)。
2005年から2014年までの間に生まれた子を以降対象としています。あとたぶん取りこぼしもある気がする。
生まれてから初レース出場までの期間
2005年から2014年までの間に生まれた子ごとに、初レースが生まれた日から何日めだったかのヒストグラムをとってみた。
縦軸は対数とってるので注意、先ほどの話の通り、1000日より少し少ないあたりにピークがあり2歳で大多数はデビューすることがわかる。かなり上振れしてる子もいるが、そのほとんどは海外の子で、どうやら海外のレースが完全に網羅されていない(≒ログとして初回のレースが本当は初回ではない)のが原因っぽい。
そんな中目についたのはキセキノテイオー。2014年生まれで7歳デビュー、かなり遅めである。普通に体格的に微妙でそれまでは普通に乗用馬だったらしい。2021年7月〜2022年6月に出走、9戦0勝。名前からご察しだけど父はトウカイテイオー、しかも最後の子らしい。特にウマ娘で実装はされていないはず (執筆時) だがpixiv百科事典にも記載がある。何となくドラマティックで悲壮感漂うキャリアな気もしつつ、現在では乗用馬に戻ったらしいので大半の子より相対的に良い人生っぽい感じがする。
色々調べてる過程で、競走馬と乗用馬は育て方の観点が違うので引退後の競走馬を乗用馬に育成しなおすのは結構大変という話を見かけた。「おじさんのリスキリングじゃん厳しい」という気持ちは一旦置いておいて、キセキノテイオーに関しては結果的に競走馬になる前に乗用馬だった経験が生きているのかもしれない。人生は厳しい、馬だけど。
現役の期間
2005年~2014年生まれを対象としてるので、よほどのことでもない限りほぼ引退しているだろうという仮定で、最後のレースと最初のレースの間の日数を現役の期間とみなして同じようにヒストグラムをとってみる。
こっちは縦軸対数にしてないので注意。確かに3〜7年(だいたい2500日か)まででだいたい収まるものの、明らかに1年位のところにピークがあるあたり厳しさを感じる。一方で10年選手(もしかしたら間で休んでるかもしれないが)もいるようだ。
現役期間の長い子をいくらかピックアップして眺めてみたのだけれど、基本的に地方競馬で、どの子への言及とは言わないが口コミで「これくらいの戦績の馬だと引退≒処分」とか「結局走らせるのが一番の延命」などといった辛いご意見も目についた。割と例外的につよつよだったのはサクラシャイニーで、2008年デビューで中央で活躍したあと高知へ、その後地方とはいえ2020年に14歳で引退するまで勝ちまくっていて凄みがあった。
ちなみに2日目の僕の記事で推してたレコンキスタくんも2016年デビューで今も現役なので頑張ってます。
誕生月のヒストグラム
レースの話になるとつらい側面が見えがちなので、無害そうな誕生月のヒストグラムなどをみてる。横軸が月。
日本の場合はだいたい1月〜6月に生まれるとのことなので、まぁデータと大体一致している。他の季節の子も多少いるが、要は海外生まれの子。生まれた月なんて見ても無害かと思いきや、「早くうまれたほうが有利かも?」みたいな話もあるらしい。以下の記事だと3月、4月生まれがよさそうに見える。人間でも早生まれのスポーツ選手は少ないみたいなアレっぽい・・・。
さっきのキセキノテイオーさんはとても珍しい7月生まれ、僕は悲しい。
まとめ
ネガティブな話がやや多めになった気がしつつ、実際にデータを眺めつつ探索的に色々調べてみるとまた少し馬に詳しくなった気がしますね(?)。